2011年10月26日 19:09 Dig TBSラジオ
知事と市長が大げんか。 大阪のダブル選挙に意味はあるのか?
大阪のダブル選挙について。
なぜ、知事が市長選に打って出るかや、
「大阪都構想」とは何かについて、
在阪ジャーナリストの吉富有治さんに電話で、
伺いました。
後半は、社会学者で
東京工業大学教授の橋爪大三郎さんがゲスト。
橋爪さんは、大阪の重要性、大阪の財政問題、
さらには、大阪の改革の必要性を説きます。
《参考図書》
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アマゾンレビュー
橋下府政を冷静に(やや辛口に)評価, 2011/4/3
レビュー対象商品: 橋下徹 改革者か壊し屋か―大阪都構想のゆくえ (中公新書ラクレ) (単行本)
本書は、就任後3年を過ぎても、大阪府民から高い支持を得ている橋下知事について記述した本です。
前半は、
主に就任当初から現在に至るまで、橋下知事が行ってきた府政改革を淡々と客観的に振り返る内容です。この部分は、新聞をきちんと読んでいる人にとっては、あまり目新しい内容はありません。
ただ、「
橋下知事は危機に瀕した大阪府財政を劇的に改善した」と世間では評されているが、(a)
財政面の改善は横山府政、大田府政時代から着々と進んでおり、その効果が現れる時期に橋下知事が就任したという要素が強い、(b)
橋下知事の下で「黒字化」が達成されたといっても、
臨時財政特例債などがあり、真の黒字化とは言えないという主張はやや目を引きます。
後半では、20ページほどを割いて
石原東京都知事との比較をしています。多くの点で橋下知事と石原知事には類似点があることを記述しています。
そして残りの多くのページを使って「大阪都構想」について触れています。
著者は、
(a) 橋下知事は大阪都について説明不足である、
(b)
現在のところ、大改革にもかかわらず具体性が乏しく、このまま都構想を推進しようとしても混乱の可能性がある、民主党政権で国民が選択したような「お試
し」は政治では許されない、
(c) 大阪都になっても大阪がよくなる要素はほとんど見出せない、
(d)
現状は府・市の二重行政が存在するものの、「大阪都構想」で大阪市を分割すると、市内各地域がそれぞれに同種の投資をする可能性があり無駄が増幅する可能
性さえある、
などかなり辛口に評しています。
そして、
「闘うべき対象は大阪市ではなく、(地方分権を阻害する)中央官僚であり、橋下知事ほどの実力があれば、真の敵である国と闘って欲しい」と主張しています。
橋下知事については、評価する人と評価しない人とが両極端(数的には評価する人が圧倒的に多い)である傾向がありますが、この本を読むと、「良くも悪しくも、冷静にその功罪を評価すべき」ということに気付かされます。
橋下知事に対して、やや辛口な本ではありますが、意味のないこき下ろしや誹謗中傷があるわけではなく、公平なジャーナリストとしての視点で記述しようという姿勢が伝わってきます。
賛成・反対はいろいろとあると思いますが、考える材料として一読の価値はあると思います。
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アマゾンレビュー
都構想の問題点, 2011/3/13
レビュー対象商品: 橋下徹 改革者か壊し屋か―大阪都構想のゆくえ (中公新書ラクレ) (単行本)
1957年生まれのフリージャーナリストが2011年2月に書き上げた本。
橋下徹は母子家庭で育ち、茶髪でジーパン姿の熱血弁護士としてテレビでブレイ
クし、「破産会社」大阪府を建て直すため、
2008年大阪府知事に転身した。
彼は石原都知事に似た政治家であり、人件費削減、外郭施設見直し、私学助成金
削減(一部貧困対策あり)、無駄削減などのコスト削減を実行し、高い支持率を誇るが、彼の手法は大胆かつ強引なものであり、反発も強い。
本書は彼の手法と
努力を改革のためには必要なものと一定程度評価しつつも、批判的に考察している。
すなわち、
第一に府の実質収支は2000年度以降徐々に改善されつつあ
り、彼でなくとも赤字脱却はなし得たこと、また市債とは異なり府債残高は増えており、赤字隠しも発覚していること、
第二に彼は大赤字が見込まれる箕面森町
開発は中止しないこと、
第三にWTCへの府庁移転問題をきっかけとして府議会に生まれた橋下新党(後の大阪維新の会)が、橋下人気を武器に強引な市議の切
り崩しを行った結果、理念よりも選挙目当てで入会する議員が増えていると見られること、
第四に橋下が2010年のシンガポール訪問後に府市の再編統合によ
る大阪都構想(159~162、165頁)を突如掲げてから、彼と大阪市長の関係が険悪化しているが、
この構想の具体的な中身は明らかではなく(都区の予
算配分など)、また多くの欠点があること(実現には特別法が必要であること、仮に実現してもコスト削減には限界があり、区議会議員の数は増えること、また
不況や将来不安ゆえ現状では滴下効果は働きにくいこと、区の財政規模がばらばらである上、都が権限や財源を国からではなく下位の自治体から奪うため、区の
権限と財源が弱くなり地方分権に逆行すること、
非効率な二重行政の解消や企業誘致は他の手段でも可能であること)等である。
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