2011年10月20日木曜日

映画「インサイド・ジョブ」第5部

映画「インサイド・ジョブ」

目次

プロローグ アイスランドの破綻

第1部 これまでの経過 0:12

第2部 バブル 0:31

第3部 危機 0:57

第4部 責任 1:17 

第5部 我々の現状 1:33




第5部 我々の現状


金融界の台頭は米国の大きな変化の一部だ。


1980年代から米国は不平等社会となり、

経済的優位性は低下した。

GM クライスラー USスチール等かつての中核企業は

外国のライバル会社に後れを取った。

中国が経済を開放するとコスト削減のため、

仕事は海外へ移る。



「長い間 先進国に暮らす6億6千万人の人々は

外からの労働力から守られてた。

突然 竹と鉄のカーテンが上がり25億の労働人口が出現したんだ。」



 大勢の米国人労働者が解雇された。


数年で米国の製造基盤は失われた。

そうして新たな産業が台頭する。

米国はITで世界をリード高給の職を探すのは簡単だ。

だが、高等教育が要る。

平均米国人にとり大学は遠い存在だ。

大学に行けるかどうかの決定要因は

金銭的な余裕なのだ。

2006年10月11日
ブッシュ大統領
「わたしは昔から税金が高いと感じてた。」

一連の減税を策定したのはG・ハバード

彼はブッシュの経済諮問委員長だ。


恩恵を受けたのは


1%しかいない富裕層だ。



米国は富の不均衡度が先進国中で一番高くなった。

この変化に国民は2つの対応をする。

長時間労働ともう一つは借金だ。

 IMF
「中流層が脱落するにつれて、それに応じるように

借金を容易にする政治的動きが出てきた。」


作家
「米国の90%が1980~2007の間に負け組となり、

上位の1%だけが勝ち組となった」

2008年9月29日

オバマ大統領は金融界と政府政策を非難。

変化の必要性を説いた。

「府と金融界の監視欠如が混乱を招いたのです。」

就任後、オバマは金融改革の必要性を訴えた。

オバマ

「リスク規制、自己資本規制の強化

金融保護の局が必要だ 。

ウォール街を変える。」


だが2010年半ばに始まった金融改革は腰砕けで、

格付け機関やロビー活動、報酬などの肝心な部分は、

ほとんど手つかずだった。

消費者団体元理事
「オバマと彼の言う規制改革について、一言で言うなら

”はあ・・・”だね。ほぼ依然と同じだ。」

本作スタッフ
「なぜでしょう?」

 「ウォール街政権だもの。」


オバマ政権は財務長官にガイトナーを選ぶ。

ガイトナーは危機の時 NY連銀総裁で、G・サックスがCDSを全額もらえるよう指示した男だ。

ガイトナー
「規制派だったことはない」

NY元司法長官
「ガイトナーは連銀総裁の職務も分かってなかった。」

ガイトナーは本作の取材を断った。




ウィリアム・C・ダドリー NY連邦準備銀行総裁は元G・サックス主席エコノミスト。

 ハバードと一緒に論文を書いた男。


 M・パターソン 財務省主席補佐官は元G・サックスのロビイスト。


ルイス・サックス 財務省上席顧問はトライカディア出身。

トライカディアはCDOを売り、その下落で儲けた会社だ。


G・ゲンスラー 商品先物取引委員会委員長は元G・サックスの重役で規制反対派だ。

SECの長には銀行自主規制団体FINRAのM・シャピロが就任した。

エマニュエル大統領補佐官はフレディマックの重役だった。

フェルドスタインとタイソンは経済再生諮問会議に入り、

サマーズは国家経済会議委員長に。

顧問の大半が危機の構造を作った者だ。


国外では報酬規制に動くがオバマ政権は反対した。


2010年半ば時点で金融界の大物の起訴や逮捕は一件もない。

特別検察官も任命されず、

証券詐欺や粉飾決算で告発された会社もない。


重役に支払われた報酬を回収しようという動きも見られない。

消費団体元理事
「カントリーワイドのモジロの行動は犯罪行為だったと思ってる。

B・スターンズもG・サックスもリーマンもメリルもね。」

「刑事訴訟を? 」

「するべきだ。勝つのは難しいと思う。

だが勝てる。従業員で真実を話す者が出ればね。」

麻薬と売春にまみれて、買春費用を経費で賄うのが当然の業界なら

口を開かせるのは容易なはずだ。

売春サロン経営者
「司法取引に応じたのよ。

でも彼らは店の記録に興味がなかった。」

本作スタッフ
「興味を示さない。」

経営者
「ええ 全然ね。」

NY元司法長官
「このウォール街の問題で個人的な不品行を叩き、

国民を喜ばせても意味ない。

この激動の時代が通り過ぎた後で再評価されるさ。

私は言える立場じゃない。」


連邦検事はスピッツァーを”個人的不品行”で叩き

2008年辞職に追い込んだ。

だが金融界にはその意気込みを見せていない。



2009年 失業率は過去17年で最高となる。

M・スタンレーは総給与額は140億ドル超。

G・サックスは160.億ドル超。

2010年のボーナスはこれお上回った。

中国銀行監督局主席顧問
「なぜ金融工学者は本物のエンジニアより

何百倍もの金をもらているのか?

エンジニアは橋を造り、金融工学者は夢を作る。

夢が悪夢になったらツケを払うのは別の人間だ。


何十年も米国の金融は安定していた。

だが何かが変わった。

金融界は社会に背を向け、政治を腐敗させ、

世界を経済危機に陥れた。


惨事から再生に莫大な費用がかかった。

だが危機をもたらした張本人は権力の座にいる。

彼らは言う。「我々の仕事は複雑で君らに理解できない」

「もう二度としない」

そして改革に抵抗している。


相手は強敵だ。

だが闘う価値はあるのだ。






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