2011年10月19日水曜日

映画「インサイド・ジョブ」第4部

映画「インサイド・ジョブ」

目次

プロローグ アイスランドの破綻

第1部 これまでの経過 0:12

第2部 バブル 0:31

第3部 危機 0:57

第4部 責任 1:17 

第5部 我々の現状 1:33




第4部 責任 


リチャード・ファルド リーマン・ブラザーズCEO
「会社が傾けば我々も傾くんです。」

会社を潰し、危機をもたらした男は、

財産を全額 手にして去った。

破綻後も金を返すことはなかった。


アンジェロ・モジロ カントリーワイドCEO
「我々がローンを破綻させるはずがない。」

 カントリーワイドのA・モジロは、

 2003~2008年で4億7000万ドルを手にした。

 1億4000万ドルは会社倒産の1年前に自社株を売った金だ。


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スコット・タルボット 金融サービス円卓会議主席ロビイスト
「取締役会と報酬委員会によって

役員報酬は決定されています。」

本作スタッフ
「過去10年の評価は?」

タルボット
「そうですね。私ならB評価をつけます。」

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メリルリンチのS・オニールは

2006~2007年だけで9000万ドルの報酬を得た。

会社を傾けたのに取締役会は彼の退職を認め

退職金1億6100万ドルを払った。


後任者のJ・セインは2007年に8700万ドルもらい

2008年12月 メリルが税金で救済された2ヶ月後

10億ドル規模のボーナスを配った。

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2008年3月AIGFPは110億ドルの損失を出した。

J・カッサーノは解任されずに顧問となり

月100万ドルもらった。


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金融サービス円卓会議

雇ったロビイストは3千人議員1人につき5人以上だ。

 本作スタッフ
「金融界は政治的影響力を持ちすぎでは?」

タルコット
「いや 米国人なら議会に意見を述べる権利はあります。」

本作スタッフ
「どの社会層の集団も平等に公平に議会にアクセスしてると思いますか?」

タルコット
「誰でも好きな公聴会に行けますよ。」

本作スタッフ
「確かに行けますが金融界のようにロビイスト代は払えないし

金融界並みに政治献金はできない。」

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1988年から2008年の間

金融界は50億ドル以上をロビー活動と選挙献金に使い

危機以後は これを上回る。

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あまり知られていないが、より巧妙な影響力も行使している。

大学界を抱き込んだのだ。


ハーバード大学

コロンビア大学 

 ジョージ・ソロス 
「規制緩和は学会からの支援も相当あった。

皆は自らの利益のため規制緩和に乗った。

この幻想を生み出した張本人は経済学界だ。」


1980年代から経済学界は規制緩和を提唱し続け

政策決定に影響を及ぼしてきた。

学者で危機を警告した者は少なく、

危機後 多くが改革に反対した。

※日本の原発と同じ。学会も金で飼われている。

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チャールズ・モリス 作家
「規制緩和を説く学者は顧問で大金を稼ぐ者が多かった。

教授は学校の給料だけでは食べていけない。

うまくやっている。」

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本作スタッフ
「この10年で金融界は約50億ドルにのぼる政治献金をしてきた。

大金です。まずいとは?」

マーティン・フェルドスタイン ハーバード大学経済学教授
「思わない。」

フェルドスタインは世界でも有名な経済学者だ。

レーガン政権で顧問を務め規制緩和を進めた。

1988年から2009年まではAIGとAICFPの両社で取締役を務めて

数100万ドル手にした。

本作スタッフ
「AIGの役員になって後悔は?」

フェルドスタイン
「ノーコメント・・・いや 後悔はない。

まったく後悔していない。」

本作スタッフ
「ではAIGの決定に後悔はありますか?」

フェルドスタイン
「AIGの件は話さん。」

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グレン・ハバード ブッシュ政権大統領経済諮問委員会委員長
コロンビア大学ビジネススクール校長
「ノースウエスタン大学やハーバードでも教えた。」

本作スタッフ
「金融界は強大な政治力を持ってると思いますか?」

ハバード
「そうは思わない。彼らはしょっちゅう議会側にやり込められてる。」


著名学者は金融界のために公の議論や政策を作り財を築いている。

アナリシス・グループ CRA LECGといったコンサルタント会社は

学識者を企業に供給して大金を稼いでいる。


これを使ったのがR・チオフとM・タニンだ。

ベアー・スターンズの2人は証券詐欺罪に問われ

アナリシス・グループを使い無財に。

ハバードは2人を弁護士10万ドルを手にした。


本部スタッフ
「経済学界は利害関係を抱えていると思いますか?」

ハバード
「何の話かな?」

本作スタッフ
「経済学界というか経済学者の多くが

金銭的な利害関係を抱えていて

それを問題視する声も・・・・」

ハバード
「いや それはどうかな。

ほとんどの経済学者はそんなに裕福ではないよ。」

ハバードはメリットライフの重役で年収25万ドル

2009年に倒産した商業用不動産金融キャップマークの重役も務め

野村証券やKKR等の金融機関の顧問になっている。

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L・タイソンは取材を断ったが、

UCバークレーの教授でクリントン政権において

経済諮問委員や国家経済会議の長を歴任。

政府を去ると年収35万ドルでM・スタンレーに迎えられた。


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R・シモンズ ブラウン大学長は、

年収30万ドル超でG・サックスの重役へ。

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デリバティブの規制緩和を進めたサマーズ長官は、

2001年ハーバード大学の学長へ。

同時にヘッジファンドの顧問や銀行からの講演依頼で数百万を稼ぐ。

資産公開によればサマーズの純資産は

1650万~3950万ドルの間だ。

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FRBから大学へ戻ったF・ミシュキンは、

資産公開によれば純資産は

600万~1700万ドルの間だ。

本作スタッフ
「2006年にアイスランドの金融界を調査された。

”アイスランド金融の安定性”
”アイスランド金融機関は優秀で不正も少ない”
”金融自由化に適応しているが一方で規制と監視は極めて厳しい”」

ミシュキン
「間違いだ。アイスランドでは規制や監視は厳しくなかったし・・・」

本作スタッフ
「なぜ間違いを?」

ミシュキン
「その時点の情報が基だ。

一般的に見てアイスランドの金融機関は優秀で

先進的であり・・・」

本作スタッフ
「誰がそう言ったんですか?」

ミシュキン
「中央銀行の話を信じた。実際は機能していないと後で分かったが、

あの時点で・・・ 」

本作スタッフ
「なぜ鵜呑みを?」

ミシュキン
「鵜呑みというか手持ちの情報で・・・」

本作スタッフ
「この執筆料は?」

ミシュキン
「金額については情報公開されてる。」

報告書はアイスランド商工会議所の依頼で

ミシュキンは12万4000ドル受け取った。

本作スタッフ
「あなたの履歴では 報告書の題が

”金融の安定性”から”不安定性”に」

ミシュキン
「なぜだか分からないが恐らく誤植だろう。」

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グレン・ハバード コロンビア大学ビジネススクール校長
「私は研究に付随して利害が伴った場合は

その情報を公開すべきだと思ってる。」

本作スタッフ
「でも そういう指針はない。」

ハバード
「皆 明記するはずだ。書かない人は知らないな。

怠った場合それなりの制裁がある。」

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本作スタッフ
「報告書には商工会議所から報酬を受け取ったとの記載がありませんが」

ミシュキン
「いや・・・」

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ロンドン・ビジネススクール教授のR・ポーテス

アイスランド商工会議所から依頼され、

金融界称賛の報告書を書いた。

R・ポーテス
「銀行は十分な流動性を持ちクローナ下落で儲けてる。

アイスランドの銀行は来年も堅調だろう。経営もいい。」

ホーテスの報告書にも報酬の件は書かれていない。


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本作スタッフ
「大学では出版の際 利害情報の公開は?」

ジョン・キャンベル ハーバード大学 経済学部学部長
「義務ではないはずだ。」

本作スタッフ
「学外の活動で得た報酬を報告するよう求めます?」

キャンベル
「いいえ。」

本作スタッフ
「問題では?」

キャンベル
「なぜですか?」

本作スタッフ
「フェルドスタインはAIGへ

タイソンはM・スタンレー

サマーズは顧問業で年収1000万ドル

関係ない?」

キャンベル
「ええ基本的には関係ない。」

本作スタッフ
「医療研究者がこんな記事を。

医師が治療にAという薬を出す。

その医師の収入の8割はAの製薬会社の金。

問題ですか?」

キャンベル
「確かに情報開示は大事だと思うが・・・・・・・

だが今まで話していた件と少し事情が違う。

それは・・・  ・・・ ・・・」


ハーバード大学とコロンビア大学は利害関係についてのコメントを拒否し本作の取材を断った。



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本作スタッフ
「あなたは多くの論文を書いてきたが、

無規制のCDSの危険性については調べませんでした。」

フェルドスタイン
「一度もね。」

本作スタッフ
「重役陣の報酬についても しかり コーポレートガバナンスの規制や

政治献金・・・」

フェルドスタイン
「待った その件で私が付け加えることはない。」

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本作スタッフ
「履歴書を見ると あなたの学外の活動のほとんどは


金融機関の顧問や重役職のようですね。

そうは思いませんか?」

ハバード
「顧問の社名は履歴に載せていない。」

本作スタッフ
「顧問を務めている会社は?」

ハバード
「言うつもりはない。あと数分で約束の時間だ。」

本作スタッフ
「他に金融機関の顧問を?」

ハバード
「かもね。」

本作スタッフ
「覚えていない?」

ハバード
「宣誓証言じゃない。失礼だぞ。

断るんだった。あと3分だ。まともな質問を頼む。」


バブル最盛期の2004年


ハバードはG・サックスのW・ダドリーと共同論文を発表。

ハバードは論文でCDSと証券化を称賛し、


金融の安定を強化すると言っている。

いわく、”市場変動は減り、景気後退はあっても穏やかになる”


”CDSは損失から銀行を守りリスクを細分化する”

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本作スタッフ
「金融機関の顧問を?」

ミシュキン
「している。詳しい話をする気はないよ。」


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